ダイアロスの歴史を知る会 非公式記録
毎週定例会を開催しています。
日時:火曜日・土曜日 23:00~24:00
場所:レクスール・ヒルズ城門南の小部屋(Master of Epic Pearlサーバー )
※興味のある方は募集CH「エルアン文明研究会」まで

大樹

[元銃弾販売員Ctanaの日記]

その大きな樹が生えているのは、石の壁で囲まれた四角い箱の中のような場所だった。
床も石、天井も石。高い梢に隠れてよく見えないけれど天井の中央部からは光が差し込んでいる。

ここに来るまでの道にも、たくさんの敵が居た。
エントランスに居たものの他に、ダイアロス各地に居るウィスプの仲間のようなチェイサーという空飛ぶ光。そして、置物かと思ったらいきなり動いて襲いかかってきたガーゴイル。どれも、宮殿に入り込もうとする者を排除するためにそこに居るように思えた。

賢王と呼ばれるエルアン人の王様が、はるか昔に時間の流れから切り離したこのエルアン宮殿の中に居る魔物たちは、現代のレクスールに居る動物たちよりも手ごわい敵ばかりだった。
賢者さんが応援を呼んだのも無理はない。私と賢者さんだけではここまでたどり着くこともできなかっただろう。

この中庭と呼ばれる場所からさらに奥、宮殿の内部にも行ってきた。
敵を倒しながら進んで、奥にあった転送装置からここへ戻ってきたところだ。
ここに戻る転送装置があった部屋には、他の場所に飛ぶ転送装置もあるらしいのだけど、私たちだけで行っても勝てないからということで、そちらに行くのはやめにした。

応援に来てくれていた三人は、賢者さんの召喚したアルターに乗って街へと帰って行った。
今、この中庭には私と賢者さんの二人しか居ない。静かに天井から差す光と湧き出して水辺を作る澄んだ水。風も入り込まないので、中央にそびえる大樹は動かない。石でできた大きな箱のようなこの空間は、時間が止まっているような静かさだった。

「あのリザードマンというのが、ここに攻め込んできた亜人なのですね」
私の声だけが、しずかな中庭に響く。
宮殿内部のいたるところに居たトカゲのような姿をした亜人たち。あれがエルアン人の宮殿に攻め込んできた亜人のようだ。中に居る亜人ごと宮殿を時間から切り離さなければならなかったほど手ごわい敵。あのリザードマンたちは、いったいどこから来たのだろう。

「現代のダイアロスでは、ハティル砂漠に居るわね」と賢者さん。
ハティル砂漠というのは、エルビン山脈の東にある砂漠のことだ。
砂嵐の吹き荒れる方位磁石も使えない場所。巨大な虫たちが砂の中に潜む恐ろしい場所。
行ったことはあるけど、あまり奥地までは入り込まなかった。あの砂漠の奥にリザードマンは居るらしい。

「過去に、砂漠からここまで、遠征してきたことがあるということですか」

「そのようね。現代では、リザードマンはハティル砂漠にしか居ない。レクスールにも、ハティルとレクスールの間にも居ないから、ここまで攻めてきた者たちが全て宮殿に入り込んだ時を見計らって宮殿ごと時間から切り離したのでしょう。みごとな手腕だわ。遠征に加わらなかった者たちが今もハティル砂漠に残っているということみたい」
なるほど。砂漠から出てきた亜人たちを、ここで一網打尽にしたということらしい。

「今、この宮殿を支配しているのは、ザハークというエルアン人なの。賢王も宮殿で暮らしていた住人達も今はもう居ない。居るのは、火竜神殿からここにやってきたザハークというエルアン人の魂だけ」
私たちだけでは勝てないからと行かなかった宮殿の最奥。そこに居るのがそのザハークのようだ。

この宮殿内に残っていたリザードマンたちも含めて、エルアンナイトやガーゴイルやチェイサーといったガーディアンを配置しているのは、そのザハークだということみたい。

賢王がここを封印したときからこういう状態ではなかったのだろう。攻め込んで来たリザードマンと今ここの主として君臨しているザハークというエルアン人が、ここをこんなおそろし気な場所にしている。かつてのこの宮殿は、どこもこの中庭のようにおだやかな場所だったのかもしれない。

攻め込んできて、そのまま封印されていたリザードマン。ガーディアンとしてザハークが配置したエルアンナイトやガーゴイルやチェイサー。そして、冷気をまとった巨大な狼と緑色の巨人。
私には、エルアン人と呼ばれる人たちのことがよくわからなくなっていた。
どうやら新しい生命を作り出すことすらできたらしい、謎に包まれた人々。彼らは、ここで、いったいどんな暮らしをしていたのだろう。

おだやかなこの中庭のような場所があるいっぽうで、おそろし気な研究を続けていた者も居る。
そういえば、リザードマンが住んでいるハティル砂漠には、生命の檻と呼ばれている研究施設のようなものもあるらしい。あれもまた、エルアン人たちの施設なのだろうか。

「あなたはバエルとホムンクルスはどちらも古代モラ族の作ったものだと思っているようだけど、私は、バエルとギガースは、エルアン人の作ったものではないかと思っているの」
賢者さんが唐突にそう言う。そして続けて言う。

「それから、アマゾネスも。フロストウルフも。エルアンナイトやガーゴイルも。古代モラ族の作ったホムンクルスが起源だというエルアン人たちが作った生命が、それらのものではないのかな。エルアンナイトやガーゴイルを生命とは呼べないかもしれないけどね」

作られた生命であるエルアン人たちが作った生命たち。どこからどこまでがと線を引くことはむずかしいけれど、アマゾネスのあの変貌をまのあたりにすると、あれが自然にできた生命だとは思えない。作られた生命だとすると、作ったのはモラではなくてエルアン人。生息場所から考えると、そうなのかな。

中庭の中央にそびえる大樹を眺めながら、私はエルアン人たちの姿を思い浮かべてみた。
この中庭には、たくさんのエルアン人たちがいたのだろうか。大樹の下でのんびりくつろいだりお喋りしたり、お昼寝をしたりしていたのだろうか。
彼らは、どんな人たちだったのだろう。

11月 20th, 2018 at 5:21 PM | Comments & Trackbacks (0) | Permalink


掬い上げるのは光か闇か

[セレナイアの手記]

ここ数日、アルケィナの資料室に籠ってノアストーンの力について調べていた。
ノアストーンをはじめ、古代モラ族が使っていたのは「原初の力」と呼ばれるものらしい。

私たちが普段魔法として使っているマナの力は、原初の力をすごく薄めて使うようなもので
謎の災厄でモラの力が失われたときに、エルアンの人たちによって編み出されたみたい。

破壊魔法なんかを見ていると、魔法の力でも十分恐ろしいように思うのだけど
原初の力を直接使ったら、いったいどんなことになってしまうんだろう。

それと、エルアンの遺跡、宮殿が発見されたときの記録を読んでいて
とても気になる一文を見つけた。
エルアン文明で研究されていた力を開放しようとした、ザハークという人物の発言だ。
「この死を告げる混沌の生物が、世界の光を、生を奪い、我らが望む繁栄の力を集めるのだ。」

前半はまあ、いいでしょう。古代モラ族と同じように、命を作り出すことができた彼らは
恐ろしい怪物も生み出してしまった。

それより私が引っかかるのは後半の
「世界の光を、生を奪い、我らが望む繁栄の力を集めるのだ。」ってところ。

光を、生を奪いっていうことは、要するに私たちを滅ぼそうっていうことだと思うのだけど
それがどうして「繁栄の力を集める」ことにつながるんだろう?

私たちが邪魔なだけなら、「我らが支配する世界」とかそういう表現になるはずじゃないかな。

この文がヒントになって、糸がつながった気がする。

古代モラ族の業績をもう一度思い返してみると
荒れ地だった世界を開拓し、今のほとんどの生き物を創造した。

どうやって?そう、「原初の力」で。

つまり、私たち今いる生き物は
ほんの少しかもしれないけど、原初の力を宿しているんじゃないかな。
ザハークは、その力を集めようとしていたんじゃないかな。

もしそうだとしたら、とても恐ろしいことだけど
似たようなことを、もっと執拗に、もっと周到にやろうとしている人がいる。

イーゴ。

彼は、これまでに度々私たちを、いえ、私たちだけじゃなくて
あらゆる生き物を魔物で襲い、数えきれないほどの命を奪ってきた。

殺す、という直接的な手段じゃなくても
たとえばソウルバインダーに差し出すスキルもそうだとしたら?
比較的平和な今の時代ですら
彼は着々と私たちの命から原初の力を集めているのかもしれない。

そう考えると、アルター、そしてマブのシンボルの関係にも、一つの仮説が立てられる。

・アルターは、ノアストーンの原初の力を世界中に配っている
・マブのシンボルは、世界中に広がった原初の力をイーゴの元に集めている

アルターの、上から下に広がるような形に対して
マブのシンボルは、下から上に広がるような形をしている。
どうでしょう、対をなしてるように見えてこない?

 

11月 14th, 2018 at 11:47 PM | Comments & Trackbacks (0) | Permalink


イーゴの状態遷移

[エルアン文明研究会]

文責:セレナリア

イーゴが各時代でどのように活動しているのか図に整理してみたいと思います。
議論のたたき台として、私が思う流れを書いてみました。

皆さまのご意見を募集しています。

11月 10th, 2018 at 11:12 PM | Comments & Trackbacks (0) | Permalink


怪物

[元銃弾販売員Ctanaの日記]

数が多い。スルト鉱山のエルアンナイトと同じ物なのだそうだが、視界に入るだけで十体は居る。
片端から倒して進んでも良いのだけれど、私たちは、知覚範囲を狭める魔法をかけてエルアンナイトたちの横をすり抜けて行った。
狭い通路ではあるけれど、そうして抜けて行くのにじゅうぶんな幅はある。

「ここには、バエルは居ないのよ。でも、あれは居る」
そう言いながら賢者さんが指さす通路の先には、緑色の肌をした隻眼の巨人が立っていた。
ギガースだ。ギガースの中でも、かなり身体の大きな種類だ。

「レクスールの川沿いに居るやつがここまで入り込んできたんでしょうか」
私が訊ねると、賢者さんは首を横に振る。

「あの体格で洞窟の中を通り抜けてくるのは大変でしょう。無理にここまで来る必要などないでしょうし、最初からここに居たのではないかしら。つまり、エルアン人の王様がここを封印したときには、あの巨人はここに居たということになるわね」
言いながら、賢者さんは巨人にも魔法をかける。
私たち五人は、巨人に気付かれないように、そっと後ろを通り抜けた。

 

エルアンナイトたちが、エントランスに侵入した者を排除するための衛兵だとしたら、あの緑の巨人もそうなのだろうか。エルアンナイトと一緒に、ここを守っているのかな。

もちろんそれは、エルアン人たちがこの宮殿に住んでいた頃の話。つまり、排除すべき外敵というのは、その当時ダイアロスに住んでいた動物たちということだ。あるいは対亜人、もしくは対魔物。自分たちの宮殿に侵入してくる者を寄せ付けないためのガーディアン。

エルアンナイトと一緒に居るギガースもそのガーディアンの一員なのだとしたら、ギガースもエルアン人に使役される存在だったということになる。
宮殿を守っていた巨人が、宮殿が封印されて無くなったあと、野生化してレクスールとイルヴァーナとネオク高原に生息しているのかもしれない。

それとも、この宮殿が封印される時に、たまたま宮殿内部に入り込んでいたギガースが、そのまま生き残っているだけなのだろうか。
同居人や客人だとは思えないから、たまたま入り込んでいたのだとしたら攻めてきた側なのかもしれない。宮殿に攻め込んできたという亜人と一緒に、あのギガースも入り込んだのかも。

だけど、周りのエルアンナイトたちはギガースを攻撃するそぶりは見せない。彼らが衛兵なのだとしたら、敵とみなされていないあの巨人は、ガーディアンの一員なのだということになる。
火竜神殿にはエルアンナイト、このエルアン宮殿にはエルアンナイトとギガースが衛兵として配置されている。のかな。

「あのギガースが外から入って来たとは思えない。でも、あとからここに入り込んだ者も居るわよ。この先、この回廊の最奥にそれは居る」
そう言う賢者さんに続いて角を曲がると、エルアンナイトたちの向こうに違う姿の者が居た。
鎧を着た太った女性のようだ。

「あれは、バルカー。アマゾネスが年を取ると呪いによってあの姿になると言われている」
ナイトさんがぼそりと言う。

「もっとも、確認した者は居ない。ただそう言われているだけ。そして、バルカーがさらに年を取ると、ああなると言われている」
ナイトさんが指し示す回廊の最奥には、巨大な怪物が居た。
顔はバルカーと似ている。ただ、身体が蝶の幼虫のようだ。

「アマゾネスが年を取るとバルカーになり、さらに年を取るとあのエルーカスになる。呪いによってと言われているけど、そういう設計なのではないかと私は思う。つまり、そういうふうに作られているということ」
ナイトさんは淡々と言葉を継ぐ。

「作られて、って、アマゾネスも作られた生命だということですか?」
私が言うと、あのエルーカスが自然にできた生物に見えるのかとナイトさんは笑った。

「あそこにいるエルーカスたちは、宮殿の封印が解けたあとで入り込んできた。ここの封印が解ける前は、ヴァルグリンドに居たよ。宮殿の外にね。ただ、入り込んできたのは間違いないけど、元々はここの住人だったんじゃないかと私は思う。アマゾネスの生息地はレクスールだけ。それも、ヴァルグリンドの巣穴周辺から黄昏の砦にかけて。つまり、エルアン人の宮殿があった場所の近くだね。宮殿の外を守っていた守備隊が、宮殿が封印されたときに取り残されて外に残った。そういうことなのじゃないかなという気がする」
気がするだけだよ。と付け加えて、ナイトさんは口を閉ざした。必要なこと以外は話さない人のようだ。

「さて。戻りましょうか。あの怪物を狩るのが目的ではないから」
と、賢者さん。ここには見物に来ただけのようだ。

入口まで戻って、すぐ近くの部屋にある転送装置から宮殿の内部に入るらしい。
賢者さんが三人の助っ人を呼んだのは、その先に進むためだった。

11月 6th, 2018 at 3:41 PM | Comments & Trackbacks (0) | Permalink


ヴァルグリンド

[元銃弾販売員Ctanaの日記]

レクスールは高低差が大きくて谷にも隔てられているので、いつ来ても迷子になってしまう。
ぼんやり景色を眺めている間に、賢者さんたちの姿は地形に隠れて見えなくなってしまった。

イプスのような見渡す限りの野原なら見失うこともないのだけど、ここは遠くまで見通せない山と谷だらけの土地だ。目印になるようなものがなくてどこも同じに見えてしまうので、自分が今どのあたりに居るのかもわかりにくい。目的地のだいたいの場所は聞いていたけれど、それがどちらの方角なのかわからなくなった。

困ったなーと思いながら立ち尽くしていると、私の居ないことに気づいた賢者さんが戻ってきてくれた。このレクスールではぐれたときは、その場所にじっとしていた方が良い。へたに歩き回るとお互いの位置がわからなくなって、いつまでもグルグルと探し続けることになってしまう。
賢者さんに連れられて小山の向こう側へ行くと、そこに他の三人が私を待ってくれていた。

自分の背丈よりも大きな弓を持ったエルモニーと、盾を携えたコグニートの魔法使い。もう1人は真っ赤なナイトの鎧を着込んで金色の靴を履いたニューターだ。三人とも私とは面識がない。
三人が待っていた場所から一段低くなったところには、木枠で補強された洞窟が口を開けていた。

「あれがヴァルグリンド。主神オーディンの宮殿ヴァルハラへの入口」
ナイトの鎧を着たニューターがぼそりと言う。
仮面を着けているので彼女の表情はわからない。

「もっとも、ここにはオーディンもヴァルキリーも居なくて、アマゾネスが居るだけ。オーディンの名前の由来は“狂った者の主”らしいから、それに近い者なら宮殿の中に居るけどね」
ナイトさんは続けてそう言うと、行こうかと皆をうながした。

 

アマゾネスの徘徊する巣穴の中を通り抜けると、いちばん奥に石造りの建物があった。
扉を開けて中に入ると、そこはかなりの広さがあるひとつの部屋になっている。高い天井、部屋を囲む石の壁。奥の方に八角形の台座があるだけで、ドアはどこにも見当たらない。
行き止まりなのかと思っていたら、その八角形の台座から宮殿の内部に入れるのだという。円柱形の光が立ち昇ってはいないけれど、スルトの火竜神殿にあったのと同じ仕組みの転送装置らしい。

台座の中央に描かれた模様の上に乗り宮殿の内部に転送されると、そこにはブドウの粒のような形の青くて丸い玉が浮かんでいた。大きさは、私の腕でちょうど一抱えくらい。少し扁平になった上部には、太陽のような模様と文字のようなものが刻まれている。帰りはこの青い玉から外部に転送されるのだそうだ。

「ここは、過去にエルアン人が作った宮殿。亜人による襲撃を受けたときに、エルアンの王様が時間を凍結させて封印したらしい」
きょろきょろと周りを見回している私に、ナイトさんが言う。

「攻め込んできた亜人ごと、この宮殿を時間の流れから切り離したみたい。つまり、この場所に亜人を閉じ込めたわけね。そうまでして世界に広がらないようにしなければならないほど、その亜人というのはおそろしい者たちだったということ」
話すナイトさんの背後には、見覚えのある骸が転がっている。
打ち捨てられた人骨、そう見えるけれどあれはただの骸ではない。
しばらく眺めていると、案の定むくむくと起き上がって歩き出した。手には大きな剣を持っている。エルアンナイトだ。

「このエントランスにはエルアンナイトがたくさんうろついてる。スルトに居るのと同じ物だね」
と、背後を振り向きながらナイトさん。

「やっぱりエルアン人の作った護衛なのかな。侵入者を排除するために配置されたモンスターのように、私には思えるのだけれど」
私がそう言うと、ナイトさんは同意とも否定ともつかない唸り声を出した。

「ムトゥーム墓地やミーリム海岸に居るホネとは少し違うみたいだけどね。でもまあ、魔界出身なのは間違いなさそう。あの姿でこの世の生物ということはないだろうから」
魔界から召喚して飼いならしたのかな。それとも、呪術によって作り出された怪物なのか・・・。
ぶつぶつと口の中でそう続けるナイトさんの隣りで、私も彼女と一緒に首をかしげた。

賢者さんたち三人は、エルアンナイトに魔法をかけてどんどん奥へと進んでいる。
スルト鉱山で鍛冶屋さんが毒トカゲに使っていた、知覚範囲を狭めるあの魔法だ。
離れるのは危険だろう。私たちはお喋りをやめて三人のあとを追った。

10月 25th, 2018 at 11:58 AM | Comments & Trackbacks (0) | Permalink


残骸の中に1つ

失ったものを取り戻すのは難しい。
砕け散ったガラスのように、破片を全て拾い集めても
元通りにはならないものもある

それでも、諦めきれないものがあったとき
どんなことをしてでも、取り戻したいとき
私は、何をどこまでできるだろう

…寒い。
一面の白銀の世界から吹き上がってくる、冷たい風に身を震わせる。
ここは、遥か未来の空に浮かぶ、1つのイーゴの終着点。

死のトラップだらけのダンジョンが有名だけど
ここには人知れず、遺棄されたアルターの墓場がある。

この時代になるまでに、イーゴは世界のすべての生き物を滅ぼしてしまったし
ノア・ストーンの力も開放されて、混沌の時代に通じるゲートになってしまっている。

アルターが移動装置でも、ノアストーンの力を配る装置でも
いらなくなったのはわかるけど、どうしてわざわざ手元において、捨てたんだろう?

小さなアルターのノアストーンから光が失われているから
何かアルターに蓄えられた力を吸いとったんだろうか。

でも、地上には1つだけ、稼働するアルターがあって
それのおかげで私たちはこの時代に訪れることができる。

ううん、アルターがノア・ストーンの力を配っているっていう
私の仮説はやっぱり間違っていたのかな。

あの最後のアルターは、いったいなんの役に立ってるんだろう。
この時代は本来イーゴ1人ぼっちで、あとはホムンクルスばかりなのに。

例外としては地上にモラ族とソウルバインダーの人がいるけど
彼らは私たちと同じように、過去からやってきたのでしょう。

ん…なんか引っかかる。
ソウルバインダーがいるってことは、旅人を蘇生する対価として
私たちのスキルを受け取って、闇の力、つまりイーゴのためになる何かをしている。

でも、イーゴはもともとすべての生き物を滅ぼしてて…
やっぱり、変だよね。
せっかく滅ぼしたのに、わざわざ過去から人を呼んだりして。
寂しくなったわけでもないでしょうに。

そうする何か理由があるはず。
もう少し、考えよう。

10月 17th, 2018 at 8:32 PM | Comments & Trackbacks (0) | Permalink


緑色の巨人

[元銃弾販売員Ctanaの日記]

「彼の考えていることは、きっと彼にしか理解できないのでしょうね」
賢者さんはそう言うと、いつものように玄米茶をすすった。
私の前にはアイスコーヒー。場所はいつものオープンカフェのいつものテーブルだ。

3000年後のイプスから戻ったあと、私なりに考えてみたのだけれど答えは見つからない。
あんな場所で、たった一人で、イーゴはいったい何をしようとしているのだろう。

闇から続くカオスにも、上空に浮かぶ浮遊都市にも行かなかった。
行けば何かわかるかもしれなかったのだけど、私たち二人だけで行くのは危険すぎると鍛冶屋さんが言ったのだ。私の力量をよく知っている鍛冶屋さんが言うのだから、そこはきっと、とても危険な場所なのだろう。

現代のダイアロスなら、私が行けないほど危険な場所はない。闇の中から呼び出す魔物たちの助けがあれば、私はどこにだって行ける。鳥人の住む地の底であろうと、竜が飛び回る高い山の上であろうとお散歩できる。その私が行くのも危険なカオスエイジと浮遊都市バハには、いったい何があるのだろう。いつか見に行ってみたいな。帰りのアルターの上で雪と氷の世界を眺めながら、私はそう思っていた。

「イーゴに限らず、モラ族たちの考えていることは私たちにはちゃんと理解できていないのかもしれないわね。彼らは私たちとは全く違う種族だし、その歴史もとても古い。古代モラ族は箱舟に乗ってここにやってきたらしいけど、私たちは彼らの故郷についても全く知らないんだもの」
賢者さんはお茶を飲みながらそう続ける。

それは確かにそうだ。
スライムたちが私のことを理解できているかと訊かれたら、私も首をかしげるしかない。ただ、スライムと違って、私たちとモラ族は共通の言葉で会話できてはいるけれど。

「ところで、あなた前に、ホムンクルスとバエルのことを言ってたわよね」
と賢者さんが唐突に言う。

「戦闘用のホムンクルスがバエルの起源ではないのかなって言ってたことがある気がするけど」
私はうなづく。ただし、それはただの思いつきで、根拠となるものは何もない。
スルト鉱山に居るエルアンナイトがエルアン人たちの作った護衛だったとしたら、古代モラ族にもそういう者が居て良いのかなと思っただけだ。

「個々の戦闘力はたいしたことないかもしれないけど、バエルが群れになって飛びかかれば、確かにかなりの戦力になるでしょうね。高空を飛びながら魔法を撃つ者と、近づいて体当たりする者。数で圧倒すれば、たいていの敵なら倒せそうな気がするわ」
賢者さんは、そう言いながら身震いする。
十数体のバエルが一斉に魔法で攻撃してくる。逃げようと走り出すと、先回りしていたバエルが体当たりしてくる。
私は、空を覆いつくしたバエルの群れを想像してゾッとした。

「私もあちこち見て回ったのだけど、バエルの居るところには緑色の巨人が必ず居るわよね」
と賢者さん。

「レクスールの川のそば、イルヴァーナの鉱山、ネオク高原の竜の墓場。バエルが飛んでいるところには、ギガースが必ず居る。バエルの居ないところにはギガースは居ない」
言われてみると、確かにそうだ。
ギガースと呼ばれる緑の肌をした隻眼の巨人は、バエルと同じ場所に生息している。

「レクスールにある、ヴァルグリンドの巣穴には行ったことあるかしら?」
ヴァルグリンドというのは、初めて聞く地名だ。もちろんそこにある巣穴にも行ったことがない。
私がそう言うと、賢者さんは少し考えてから立ち上がった。

「二人だけで行くのは危険だから、応援を呼びましょう。巣穴の奥には、封印されたエルアン人の宮殿があるの」
つまり、これからそこへ行こうということらしい。
私と賢者さんの二人だけでは危険な場所。現代のダイアロスにも、私が一人で行けないほど危険な場所があったのだ。
怖さよりも、好奇心のほうが大きかった。私は、残っていたアイスコーヒーを飲み干すと、賢者さんのあとを追ってオープンカフェを出た。

10月 16th, 2018 at 4:05 PM | Comments & Trackbacks (0) | Permalink


Page073 信じる神:それぞれの信じる神

[カザヒシのメモ帳]

サスールでの聞き込みも終わったところで、一通りまとめてみよう。
ある程度人が集まっている場所での聞き込みは終わったと言ってもいいはずだ。

まずはビスク。
入植者である彼らは出身地であるドラキア帝国のラル・ファク教徒がほとんどだ。
ノア・ストーンの力を使い神の愛を教え、世界を平和にしよう、というのが彼らの掲げる願いだ。
とはいえ特に戦士達には、神の愛よりも目の前の危機や現実的な問題が映っているようだ。
ノア・ストーンの力を制御すべく、もう八年もの間、イルミナ様が制御を試みている。
その力があれば、世界を平和に出来る。そう信じている人達が多い。

次にエルガディン。
竜神を敬う彼らは、竜たちと共存するための教えを守っている。
かつて五大英雄が竜たちと心を交わし、保護の対価として竜族からの協力を得た。
その竜族の力を用いて勢力を伸ばしたエルガディンにとって、竜との共存を続けることは大切だ。
端的にいえば、今後とも竜族と仲良くしていくための約束事、と言ったところだろうか。

地下墓地のマブ教徒たち。
力こそ真理を掲げる彼らは自らを悪と認めたうえで、弱肉強食の世界を制しようとしている。
別の神を信じていたが、裏切られたと考え邪教に堕ちた者たちの集う場所。
そして彼らに拾われた戦災孤児や、行く当てのない流浪人。或いは生粋の邪教徒。
躊躇なく闇の秘術を用い、最も強力な力といえるノア・ストーンを狙っている。

森を守るフォレスター。
かつてドラキアに属した父ジュネと共に、十二日間戦争に参加した青年、ウォルフガング。
ラル・ファクの神の愛を教えるためと言いながら、見知らぬ人の悲鳴を聞きながら殺した彼は、
ビスクのやり方に疑問を持ち、静かな森の洞窟へと去った。
そんな彼の考え方に同調したものたちが、ランダル洞窟に集い、自然の中で生き方を考えている。

エルビンのオーガたち。
彼らは彼らなりの暮らし方で、山麓の村で穏やかに暮らしている。
特に種族単位や集落単位で信仰している神がいるというわけではないようだ。

サスールの人たち。
宗教というよりも戒律と呼ぶほうが相応しい、独自の決まりごとに沿って生活しているようだ。
排他的ではあるものの、サスールに信用してもらえれば、友好的な関係を築くことができる。
彼らはボアド様の預言書に書かれた未来におけるノア・ストーンが招く悲劇を避けるべく、
日々厳しい鍛練を積み、ノア・ストーンの封印を狙っている。

各地を回り、色々な人に話を聞いてみた結果はこんなところだろうか。
結果的に観光にもなったし、今まで見えていたものが別の見え方になったり、
気にとめていなかったようなことにも気付くことが出来たため、正直楽しかった。

そしてどこの場所でも独特の考え方、それぞれの信じる神や人、生き方があった。
街の数だけ、集落の数だけ、人の数だけ、考えや生き方があるということは変わらない。

今回の宗教に関する調査はここまでだ。
先生にこれを提出したら、しばらくゆっくり休みたいかな。。。

 

10月 14th, 2018 at 5:24 PM | Comments & Trackbacks (0) | Permalink


氷の世界

[元銃弾販売員Ctanaの日記]

動物の鳴き声も、鳥の羽ばたく音も聞こえない。ただ風の音がするばかりで、生き物の気配はどこにもない。イプス湖の底にある傾いたアルターから私と鍛冶屋さんがやってきたのは、雪と氷に覆われた3000年後の世界だった。

ノア・ストーンの魔力と特別な思いを秘めたノア・ピースがあれば、このアルターで時代を超えることができる。湖底のアルターに居たモラ族のカルタモは、そう言いながら未来の記憶を私のノア・ピースに吹き込んでくれた。魔王となったイーゴが支配する世界、はるか未来のイプス渓谷。行くのは良いがカオスの闇をのぞき込んではいけない。カルタモはそう言っていた。

 

イプス湖の底に開いた亀裂のさらに奥深くにあったはずのアルターから降りると、そこはもう雪原の入り口だった。湖が無いどころか、湖底すらも無くなっている。湖の底の地面ごと無いのだ。3000年前は湖があって湖底の地面があったはずなのに、この時代では地面のはるか下が地平になっている。

ここには何もない。生命の無い世界は、それが存在している意味すら見あたらないほどに冷え切っている。こんな何もない場所で、たった一人になった魔王イーゴはいったい何をしたいのだろう。このうえない孤独と引き換えにしてでも、ここでやらなければならないことがあるのだろうか。

「ここには氷を掘りによく来るのよ」
そう言って歩いて行く鍛冶屋さんの後ろをついて行きながら、私は周りを見回す。
どこまでもどこまでも雪と氷だ。白以外の色が見当たらない。空の色まで真っ白で、そこには星も月も太陽も見えない。雪と氷に閉ざされたモノクロームの世界。ここには色というものすら存在していない。

なだらかな傾斜を登りきると、視界がひらけて遠くまで見通せるようになった。
正面には氷の階段。階段の上には黒いモヤのようなものが見える。右手には壊れた建造物のようなものが見えていた。

「あの黒いモヤがカオスゲートと呼ばれているカオスエイジへの入り口。黒いモヤの周りに浮かぶ破片のようなものが、かつてのノア・ストーンだよ。ノア・ストーンは、もう無い。あれがそのなれの果てらしい」
特に思い入れもないのか、鍛冶屋さんは淡々と説明する。

カオスエイジについては聞いたことがある。その名の通り、まだ大地も空も無い混沌の世界だ。現代から45億年前の神々の時代。その入り口があそこにある。

「右手に見える壊れた建物のようなものは?」
少し歩いてその折れた角のような建築物に近づくと、クレーターのようにすり鉢状になったくぼみの底に、なにかの模様が刻まれた大きな円盤が、地面になかば埋もれているのが見えた。

「ここの上空には浮遊都市があってね、お空にぷかぷか浮かんでいるの。その浮遊都市バハに行くための転送装置よ、あれは」
見上げてみたけど、ここからではその都市の姿を見ることはできなかった。見えないほどの高空にあるのか、雲にさえぎられているのかはわからない。

「イーゴが居るって言ってたけど、イーゴはどこに居るの?」
私がそう訊くと、鍛冶屋さんは少し考えてから言った。

「空の上だね。イーゴは浮遊都市バハに居る。それから、あのカオスゲートを抜けた先、45億年前の世界にも居る。そして、現代にも居る。現代では、あんたも知ってる通り、マブ教の教祖として存在してるよね。ここでは魔王として存在していて、45億年前の世界では神として存在している」

「イーゴは偏在している?ということ?」

「私たちが時間を移動してその時代に居るイーゴを見ているだけよ。偏在っていうのとは違うと思う。45億年前の世界にも現代にも3000年後の世界にも居るっていうだけ。私から見たら、あんたは今3000年後のここに居るけど、現代に戻れば現代にもあんたが居るでしょ?それと同じよ。見ている側が移動してるだけ。イーゴが何人も居るわけではないわ」
なるほど。
でも、あれ?なんかおかしい。ほんとにそうなの?

確かに私は今、鍛冶屋さんと一緒に3000年後のイプスに居る。このあと鍛冶屋さんと一緒に帰れば、現代にも私は居る。だけど、今この瞬間に、現代に私は居ないはずだ。私をここに残して鍛冶屋さんが現代に帰れば、そこで私に会うことはできない。

時間を移動できるのは、私たちだけなのだろうか。他の人は、その時代ごとのその人がそれぞれの時代に存在しているだけで、時を超えて旅することはできないのだろうか。

私から見ると、私を含めた旅人たちだけがこの世界にただ一人の存在で、それ以外の人は多くの時代に偏在しているように見える。時を超えるということは、頭で考えるととても複雑でわかりにくいことのようだ。実際にアルターに乗って旅してみると、とても単純なことに思えるのだけれど。

この未来のイプス渓谷には、1人のモラ族が居た。アルターを降りると目の前に立っていたステンという名の女性だ。彼女は言っていた、モラが最も恐れていた事態になってしまったと、闇が復活したのだと。魔王となったイーゴ、そしてイーゴが復活させた闇。
イーゴはなにがしたいのだろう。こんな淋しい場所で、いったい何をしているのだろう。

10月 10th, 2018 at 2:09 PM | Comments & Trackbacks (0) | Permalink


-アルター問題の整理 02-

3.アルターで時間移動できるのは誰?
なんとなく、PCは時間移動できるけどNPCは時間移動できないような印象はあるけど、それは本当なのだろうか?
NPCの中でも、時間移動できる人できない人がいるかもしれない。
もしそうなら、それははっきり知っておく必要がある。
早い話が、古代モラ族が時間移動できるなら、現代にやってきてアルターを作ることも可能なのですから。

4.アルターのリンク先を再設定することはできるのか?
私の知る限り、アルターでアルター以外の場所に飛ぶことはできない。
また、全てのアルターから全てのアルターに飛べるわけでは無く、飛べる先のアルターは限定されている。
War Ageのタルタロッサパレスにある小アルターは、同じWar Ageのヌブールの村にある大アルターとリンクしている。
現代のヌブール村にある大アルターにリンクしている小アルターは、ジャスパーのビクトリアス広場にあるもののみである。
したがって、もしリンク先の再設定が出来ないのであれば、このジャスパーのビクトリアス広場にある小アルターが、War Ageのタルタロッサパレスに移設されたと考えるのが最も良いように思われる。

しかし、アルターを新しく作ることはできないとしても、リンク先を再設定することは現在の技術でもできるようである。
これは、ケール・タングンの小アルターたちのリンク先が、今と昔では違っていることから見てもも明らかだと思われる。

もし、リンク先の再設定が出来るのであれば、タルタロッサパレスに移設された小アルターの候補は沢山あることになり、リンク先から候補を特定することはできないことになる。

おわりに
急いでまとめてみたので、もれがあるかもしれません。
前回の会合で突然小アルターの大きさが気になったのは、大きさによって小アルターの個体同定ができないかなと思ったからです。
大きさがまちまちであれば、一つのアルター仮説は否定されると思うので。

とりあえずおわりです

10月 9th, 2018 at 9:49 PM | Comments & Trackbacks (0) | Permalink